桜文鳥の花(その一)

長野県で生まれ、小学生の時から生き物が好きで、カブト虫、亀なんかを飼っていました。鳥には、犬や猫とちがい感情がないと思っていて、興味をもちませんでした。
東京へ来て、数年前の犬の散歩の折に、車道にうずくまっている小鳥を見つけました。車に踏みつぶされてしまうと思い近ずくと、羽を痛めているようで、抱きかかえて家へ連れて帰りました。
ダンボール箱の下にタオル、上にティッシュペーパーを敷いて、餌と飲み水を入れておきましたが、二日たっても餌を食べた様子がありません。心配になり、東京都動物愛護センターへ電話してみました。「小岩駅の近くに動物病院があって、無料で診てくれますから、そこへ連れ行ってください」と、電話番号を教えてくれました。
動物病院へ電話すると、「明日にでも連れて来てください」とのことでした。
翌日病院へ行くと、レントゲンを撮ってくれて、「人間の左肩の鎖骨にあたる部分の骨が折れているので、もう飛べないでしょう」と。「飛べなくても元気になったら、私が飼いますから」と伝えて、小鳥をあずけて病院を去りました。

小鳥は、ヒヨドリという野鳥でした。